房総エッセイ

定食屋 波”(なみなみ)で黄金アジフライを食べる

黄金アジフライと海鮮丼両方取り!定食屋波(なみなみ) おでかけ

人気番組に登場

テレ東の人気番組「出没!アド街ック天国」 で先日取り上げられたテーマは「ドライブで行きたい!千葉の絶景スポット」。引っ越して1年、すっかり房総族(房総が大好きな人)になってしまった私は放送を録画しつつ、リアルタイムも楽しんでいた。
終盤で「金谷の黄金アジ」が登場し、それを美味しくいただけると紹介されたお店を見て、思わず「アッ!」と声を上げた。ずいぶん前にGoogleMapで見つけ、名前が特徴的で覚えやすかったことから記憶に残っていたのだ。
 
富津市にある定食屋「波”(なみなみ)」。2022年4月27日OPENのお店で、GoogleMapやInstagramに投稿される料理が毎回ものすごく美味しそうで、かつ評価も高いので、行ってみたいなあとずっと思っていた。
アド街で紹介されたとなると、これは混む。テレビに先を越されてしまった。
  
房総アジフライ美味しそう
房総のアジフライビジュアルに食欲が止まらない

房総の黄金アジ

「黄金アジ」とは体色が黄色もしくは黄金色に見えるマアジのことだ。住んでいるのは比較的海の浅いところで(光が多く明るい)、敵に狙われにくくするためにこういう明るめの体色をしているらしい。「根付きアジ」とも呼ばれ場所をあまり移動しないのは、住んでいる場所のエサが豊富すぎて移動する必要がないからである。どんどん食べて丸々と太り、しっかり脂ののった大きい魚に育つ。
  
房総黄金アジの説明

生息地の浅瀬は陸に近く、地形が複雑なため大きな網で捕まえることはできない。結果として漁獲方法は「一尾ずつ竿で釣る」一択となり、これが高級魚と言われる所以となっている(もちろん味もものすごく美味しい)。
特に房総内房側で水揚げされるものは身が引き締まっており、脂のノリも上々で「絶品」と謳われる。引っ越す前から「金谷の黄金アジ」の噂は耳に届いていたし、実際におとずれて食べたこともある。そのときも実に美味かった。
 
アジの旬は初夏から秋にかけて。食べるなら今がベストタイミングだ。

定食屋「波”(なみなみ)」へ

真夏の日曜日、黄金アジフライを食するため人気店へ車を走らせる。ガッツリした食事となることが分かっているので、今日は朝から何も食べていない。アラフィフの胃腸が揚げ物をしっかり消化するには、完璧な腹ぺこ状態を作っておくことが肝心。
 
絵に書いたような夏日だ。真っ青な空に白い雲が浮かんでいる。ふいにラジオからサザンオールスターズの「秘密のデート」が流れてきて、海と夏が最も似合うアーティストの登場に気分はどんどん高揚した。誰もいない車内で「早く行かなくちゃ〜!」と一人大熱唱。正確な歌詞は「早く去かなくちゃ」なのだけど、もちろん去っている場合じゃない。会いに行くのだ、食うために!
  
車内でひとり大熱唱
 
「金谷の黄金アジが食べられる店」ということで勝手にシーサイド沿いをイメージしていたが、波(なみなみ)があるのは海から離れた住宅街だった。お店の前に3台、少し離れた空き地に2台くらい駐車できるスペースがある。到着時刻は13時ごろで待ち順は3組目だったけれど、それほど待たずに案内してもらえた。ひとり客にもかかわらず、きれいな女将さんが「テーブル席が空いてます。あちらの広いほうも座れますよ」と声をかけてくださったが、ここは人気店。カウンター席を希望する私はいいオトナ(アラフィフだってばよ)。
 
ランチは11:30からで、混雑ピークタイムを避けたため売り切れメニューもあるけれど、運良く海鮮丼と黄金アジフライが両方食べられるメニューが残っている。
迷わずに「波”(なみなみ)御膳」を注文した。
  
サザエの爪楊枝立て
海を感じさせる爪楊枝立てがカッコいい!
 
カウンター席からは調理場の様子が伺えた。揚げ場担当はベテラン風のシニア男性。焼き物・刺身系は若い男性。小鉢や汁物を整えてお膳の準備をしている女性たちはホール業務も兼ねておられる。阿吽の呼吸で営まれている様子に、なんとなく「ご家族で営業されているのかな?」という気がする。
注文が入ってから調理が行われるので、まさに揚げたて、焼きたてが味わえるのだ。海鮮丼の上のお刺身も、注文後に切られているように思う。お米も丼によそう直前に、お櫃で酢飯に仕上げている様子が見えた。期待せずにいられない!

実食!黄金アジフライと海鮮丼

「お待たせしました〜」と目の前に置かれたお膳を見て、思わずぶりっ子ポーズを取ってしまった。これから始まる美味の総攻撃を想像すると、気持ちが昂ぶりすぎてぶっ倒れそうだ。
  
富津市定食屋波(なみなみ)の波(なみなみ)御膳
房総グルメがフルオーケストラで味わえる「波(なみなみ)御膳」
  
富津市定食屋波(なみなみ)の海鮮丼
海鮮丼の魚は新鮮そのもの!
 
まずは海鮮丼からスタート。思っていたとおり鮮度が良い!よく冷えているお刺身と、ふんわりあったかい鮨飯を一緒にほおばるこの幸せよ。炙られた鰆はとても香ばしい。刺身とホッキ貝マヨ和えの組み合わせは初体験だけど、こんなに相性が良いものかと驚く。美味いよう!
途中でお味噌汁をひとすすり。寿司飯と味噌汁は真のベストカップルよね、日本人に生まれて本当に良かった。
 
海鮮と野菜を合わせた煮物の中は数多くあるが、私にとって双璧を成すのは「ぶり大根」と「イカと里芋の煮物」だ。イカから出た出汁を里芋が吸い込み、里芋の風味と合わさって極上の料理となる。メインディッシュでも十分イケる料理が小鉢とは…。イカは柔らかく、里芋はトロける。
  
富津市定食屋波(なみなみ)の黄金アジフライ
房総の黄金アジが加わったフライセット
 
そしていよいよ本丸の黄金アジフライである。アジフライは開いたスタイルを良く見かけるが、波”(なみなみ)では丸のまま揚げてある。箸で持ち上げるとずっしりした重量。黄金アジ、よく太っていて腹回りがとにかく厚い。2cmくらいあるのではないか?
まずは何もつけずに一口。ザク、ジュワ。ウー、声が出ない! 信じられないくらい美味しいものを食べた時、人はどうして目を閉じてしまうのだろう。鯵という食材を最も美味しくする調理法にフライがあり、その食材が極上のものとなると、こんなことになるんだな。これを食べるために遠方からやってくる人たちがいるのも納得できる。
  
富津市定食屋波(なみなみ)充実の調味料
「フライにつけて食べたい」調味料が勢揃い!
 
さらに素晴らしいのは、フライに合う調味料やソースが軒並みそろってることだ。塩、醤油、ソース、タルタル、付け合わせにレモン。蓋付きの木製の器に入れられたソースは自家製で、旨みたっぷりなのに全くしつこさがない。丸みを感じる優しい味わいなので、ソースだけご飯にかけて食べたい欲求に駆られる。
一番利用させていただいたのは、やはり自家製ソースでありました。
 
完食。最初から最後まで夢中で食べた、ベストな完食。幸せすぎる。
月末に都会から友人が遊びに来るから、本人が黄金アジを希望したらここに連れてこよう。「これが房総の実力だ!」と、我が物顔で自慢しよう。彼女も同年代、朝から何も食べてこないよう伝えなくては。
 
波(なみなみ)さんにお礼を告げて、車のエンジンをかける。
せっかく金谷近くまで来たから海辺ドライブを楽しんで帰ろう。さて、どこまで走ろうかな。

情報のまとめ

今回立ち寄った場所の情報です。

定食屋 波”ていしょくや なみなみ
住所
〒299-1603 千葉県富津市更和81
SNS
https://www.instagram.com/nami.nami_73/
千葉県富津市の定食屋波なみなみ外観
千葉県富津市の定食屋波なみなみの黄金アジフライ
おすすめポイント
房総の鮮魚たちを大変美味しく味わえます。房総名物「黄金アジフライ」は逃すまじ!アジのなめろうやマグロのハラモ丼などもあります。昼は定食屋、夜は居酒屋として営業されています。

千葉県富津市の定食屋波なみなみの駐車場

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