新米の季節
庭の草取りをしていたら一台の車が止まり、運転席の窓が開いた。見れば表側の農家のご主人で「米、まだある?新米とれたよ」とのこと。暦はまだ8月の末である。

幼いころ、実家は兼業農家だった。祖父を中心に米も作っていたが、稲刈りの手伝いは上下長袖のジャージを着ていた記憶があるので、刈り入れ時期は9月末から10月ごろだったように思う。とにかく気温が下がり、秋を実感するようになってからの行事だった。
房総ではもともと収穫時期が早いのか、それとも近年の異常な気温上昇で稲の生育が早いためか、夏の盛りと言えるうちに稲刈りまで終わってしまう。どうやら表農家さんも終了した模様。
「ありがとうございます。あとで米袋持っていきます。」
お察しのとおり、房総に来てからはこの農家さんから直接お米を買わせていただいている。事の発端は最初に頂いた「引っ越し祝い」だった。ご挨拶にうかがった時、奥さんから「はいっ!お祝い。これからよろしくお願いしますね」と渡されたのが5kgの米袋。それが尽きるころご相談したら快く承諾してくださり、今の関係に至っている。
とても優しいご家族で、私がお願いしてから精米にかけてくださるので、本当に美味しいお米が手に入る。幸せなことこの上ない。

おすそ分けいただく大量の野菜
ついでに話すとハウス栽培で野菜も多数作られており、しょっちゅう野菜も分けてくださる。90歳前後とお見受けするお婆ちゃんがとても元気で、夏は山から降りてくる泥棒猿とのバトルが熱い。爆竹とロケット花火の音が聞こえ始めると「お婆ちゃん戦ってるな」と、つい口元が綻ぶ。

お婆ちゃんは常に畑を見張っている
TIGER 圧力IH炊飯ジャー
さて、放っておいても新米は美味しいが、我が家にはさらにその実力を引き出すアイテムがある。圧力炊飯器である。
数年前までは米の美味さの違いが良く分からなかった。米には際立った味がついてないから良し悪しが分かりにくく、もともとそれほど米が好きでないという事情もあった。
考えを根こそぎ変えられたのはある年のGW、実家への帰省時である。母が茶碗に盛ってくれた米を一口食べ、その美味しさに目を剥いた。もっちりしていて粘り具合も丁度よく、口当たりが滑らか。でんぷんの甘さもよく分かる。

「これ新米なわけないよね?時期じゃないもんね」
「去年のお米よ」
「なんかすごく美味しいんだけど、どこのお米?」
「いつもの親戚のお米よ。炊飯器が変わったからじゃない?」
代々の炊飯器定位置に座した新しい顔が「TIGER 圧力IH炊飯ジャー」だった。前のがダメになり、「そこそこの値段はするが、べらぼうに高価というわけではないレベル」の商品から選んだと母は言う。
その日まで米を炊くというシンプルな調理機器に、なぜこれだけ値段の差が出るのか全然理解できなかった。しかし、百見は一舌にしかず。よい炊飯器は米を美味くする。1日遅れで帰ってきた弟も「米うまっ!」と目を丸くしていたから、間違いあるまい。
この時の経験から炊飯器は同じものを買おうと決めていた。全く同じ機種はすでに流通が終わっていたので、同シリーズの進化系を使っている。優秀炊飯器なので「エコ炊き」「白米」「早炊き」など多くの炊飯コースが用意されているが、私は常に「極うま」一択。他の炊き方より少し時間がかかり、水も少々多めなのが特徴で、これで炊くと本当に米が美味い。

「極うま」モードが定番
炊き立ての米でおにぎり

やってきた2025年度新米
やってきた新米をさっそく炊いてみる。TIGER 圧力IH炊飯ジャーの予約機能には「吸水予約」というものがあり、これを使えばセットした30分後から炊飯が開始される。あれこれ用事をしているうちに台所からほんわり漂ってくる、食欲を刺激する米アロマ。実に良い。
どんな食べ方をしようか迷ったけど、梅干しを真ん中にいれたとろろ昆布おにぎりに決めた。誰が生み出したのか、梅と昆布は本当に美味しい組み合わせだ。みそ汁までつけば完璧である。
これは日本人だけが感じる味覚なのだろうか? 他の国の人が食べても同じように思うのか?
炊き立てのアッツアツご飯を軽くホイホイ投げるようにしながら、三角形に握っていく。形が整ったらとろろ昆布をほぐしたマットにダイブ、たっぷりとまぶして完成。
お皿にのせて、出汁取り後の昆布で作った佃煮も添える。う〜ん、美味しそう!

梅+とろろ昆布は最高の組み合わせ
箸でおにぎりを割ると、中からふわあっと飛び出してくる白い湯気。ちょっとずつ口に運び、少し上を向いてハフハフしながら味わう米、本当に美味しい。
精米したての新米を、米の実力を引き出す炊飯器で炊いて、自分好みの調理法で出来たてを食べる贅沢。今日は時間も贅沢に使ってしまおうという気分になり、食器を洗った後は昼寝をした。夢の中でも何か食べていた気がする。

おまけ情報
とろろ昆布おにぎりを作るとき、我が家では昆布をかなり多めに使います。うどんに入れるときも、たっぷり入れます。そんな贅沢が可能なのは、国産とろろ昆布を激安大容量で購入できるお店を見つけたから。食べても食べても全然減りません。実家の母親も購入していますが、あまりに多いので親戚、ご近所、友人に配りまくっているとのことです。
